「私たちからの提言(アドボカシー活動)」カテゴリーアーカイブ

Change Maker としてチャレンジしたい

数年前、所属するゴルフコースの月例コンペで40歳前半の若手経営者と偶然ラウンドすることがありました。ハーフを終え昼食中にボランティア活動の話題になったのですが「奥山さん、シニアの方は社会貢献など考えないで、大いに遊び、消費して、医療費を使わず、ポックリ逝ってください。それが一番世の中のためになるのですよ!」言われるのです。「なるほど。それは至言だな!」と思う一方、私は、心の片隅に余生をゴルフや他の趣味だけで過ごすのはもったいないと感じていました。元気で活動的なシニアの知恵や・経験を活かし、社会のために積極的に活用する道を考えることは子供や孫たちに対する我々の世代責任ではないかと考えるようになりました。

私事で恐縮ですが、三年前に右目の視力をなくして以来、ゴルフの機会は少なくなりましたが、今では囲碁と謡曲の趣味で相当の時間を割いて楽しんでいます。しかしやはり、社会への恩返しをしたいという気持ちは強く、最近NPOを皆と一緒に立ち上げ悪戦苦闘する毎日です。会社のためだけに働いた現役時代と異なり、学ぶことが多く、挑戦意欲をかき立てられ充実感を味わうことが出来ます。「自己実現欲求」とはまさしくこのようなことなのでしょうか?

少し調査をしてみると、高齢化の中でシニアの社会貢献意欲は強く、退職後、趣味や海外旅行を楽しむと同時に何か社会の役に立ちたいと考えてる人は多いのです。しかし実際には、組織に働き、実績を上げれば上げるほど、過去の成功体験が頭にこびりつき、フラットで、ボランタリーな組織で働くことの難しさを実感し長続きしないのです。即ち、NPOで自分の過去の成功体験を語り、組織的にも弱体なNPOを批判することは、若者たちの働く環境の中で阻害感を深めるだけに終わってしまいがちです。

NPOプラチナ・ギルドの会では次の事業として、50歳以上のシニア世代が、自分の将来像を見つめ直し、転職や起業、はたまた社会貢献などで社会デビューしやすい環境整備を企業と一緒に開発できないか検討を始めました。
「子曰く、吾れ十有五にして学に志ざす。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳従う。七十にして心の欲する所に従って、矩を踰えず。」と言う言葉を学んだことを覚えていますか?人間50歳にもなれば、自己を確立し、迷わず、天命を知っていなければならないのですが、悲しいかな、”会社人間”は全ての時間を会社にささげ、自分の何たるか、将来何をしたいのかすら考える時間がないのです。かく言う私もそうでした。

日本経済が高度または安定成長している時代には、終身雇用、年功序列などの雇用制度は合理的なもので、企業は積極的に自社社員に投資・育成してきました。しかしながらグローバル競争の時代に入り、国際的な企業間競争の下では、またバブル期を経て長期のデフレ経済に突入すると大企業といえども企業体力をなくし従来型の雇用制度は足枷となってきています。雇用の流動化が話題に上る所以です。

しかしながら長期に亘り伝統的な雇用制度の中で勤め上げてきた企業内シニア層は個人個人の自立意識が低く、ウエットな雇用環境に慣らされ、将来への不安からリスク回避し、現在の会社にしがみ付くことが多いのです。本来あるべき人生設計をじっくり考える機会を持ち、早め早めに自分自身に投資し、「次のじぶん」を見つけることが重要です。自分の周りに広がる選択種を考えることは、実は自分自身のためでもあり、会社の若返り、活性化にも資するのです。

現在の会社に働くにしても、新しい職場を求めるにしても、重要なことは自分自身で専門分野を開拓し、これまで以上のスキルを磨くことです。市場の需要環境の変化により新しいマーケットが広がり、ITの進歩により働き方も大きく変わっています。日進月歩の環境変化の中で、個人個人が自身の能力開発を怠れば、現在の所得水準を維持することはむつかしく、定年を迎えてからその先の自分の在り方を考えるようでは遅すぎます。逆に、専門分野で力を発揮することが出来れば、年齢にかかわらず定年後も労働人口が減少する日本では働く機会は多いと考えられます。

定年後はゆっくり旅行でもしながら余生を過ごしたいと考えられているかも知れません。その場合でもなるべく早い段階で、自分の将来について青写真を描き、準備をされることをお勧めします。私は65歳で現役を退き、先月古希を迎えたところです。趣味やNPOの世界に身を置き活動的に過ごすことが出来ていますが、それは現役時代にある程度事前準備をしたからです。勿論これから何時何が起きるか分かりませんが、10年後もまだまだ元気に人生を謳歌している自分を夢見ながら、当面は”Change Maker “として、シニア世代が生き生きと働き、社会貢献に積極的に参画できる社会の実現にチャレンジしたいと考えています。

NPO法人の設立とプラチナ・ギルドアオードについて

NPOプラチナ・ギルドの会がいよいよ法人登記を完了し、始動しました。まさに「アクティブ・シニア 動き出す。アクティティブ・シニアが面白くなってきた」です。

会員相互で議論を重ねた末、法人となったからには、永続的に事業を開発し、社会の変革を目指します。私たちの目指す法人の理念は、シニアが生き生きと活動的に社会に貢献するためのモデルを提供し、多くの同世代やそれに続く世代が、明日の日本社会を支える力となることです。

特に、社会で培った経験、スキル、人脈等をフルに活用し、シニアだから出来るプロボノ手法の社会貢献を目指します。私たちは会員夫々が個人として、またはグループで夫々の分野で社会貢献すると同時に、法人としての事業を展開してまいります。その為には、単に我々だけでなく、志を共有する団体に広く呼びかけ、共に社会変革の騎手になっていただきたいと考えています。

主たる目的は、シニア世代が中心となって現役世代と協同しつつ、市民のためのコミュニティーづくり“市民社会”を広げ、行動する人の輪を拡大することにあります。これまで、我が国の“市民社会”は欧米に比し、小さく広がりの少ないものでした。我々の子供や孫たちに素晴らしい社会を提供する責任は現在のシニア世代にあるとの認識で、明日の“市民社会”を大きく、強いものにするために、他の多くの団体と協力しながら変革に挑戦してまいります。

先ずは、「社会で貢献するシニアの顕彰事業」(プラチナ・ギルドアオードと呼ぶ)を立ち上げ、近々公募要領をホーム・ページ上で発表いたします。素晴らしい経験をお持ちの外部の選考委員に現在社会で活躍中のシニアを発掘していただき、来年三月末までに第一回目の表彰式を行います。今後とも継続的に毎年顕彰事業を行い、顕彰者には、講演会などでお話頂き、広く社会にその活動を知っていただくことにより、同世代や、次の世代の社会貢献を目指すシニアの水先案内人として活動していただきます。

会社を退職し第二、第三の人生をおくられておられる多くのシニアの方にお聞きすると、皆さん、「ボランティアや社会貢献をしてみたい」と考えておられます。しかし、これまで会社生活に全てをささげ、「仕事が人生」の生活を送ってきた多くのサラリーマンは、思いはあっても具体的にどのように行動すればよいかわからないのも事実です。

実は、経営学の生みの親である、ドラッカー博士はボランティア社会について大変見識の高い方で、NPOの第一人者です。ボランティアは「人生の仕事」を発見する最高の道で、自己実現と人生の喜びを味わえる贈り物であると言っています(NPO is a change agent)。

只、「仕事の人生」から「人生の仕事」にモード変更するには十分な時間をかけ、自分が何をしたいかを見つける必要があります。本来、50歳にもなれば、働きながらこれからの自分の人生について真剣に向き合う必要があるのです。NPOプラチナ・ギルドの会では会員を現役、リタイアー組の半々にしているのはそのような理由からです。

このような観点から、次の事業の柱として、企業と協同して企業社会のシニア人材に、多様な将来像を提供するオリエンテーション事業を検討中です。このセミナーでは自社の大切な人材が企業での仕事を終え、社会デビューするまでの間、社員に将来の人生設計を考えて頂くことにあります。

転職や起業による更なる仕事へのチャレンジ、ボランティアや各種の社会貢献の勉強、更には海外や美しい故郷での再出発などの多様な機会をお示しできればと考えています。ご興味・ご関心のある、NPO,社会人大学、人材会社の皆さん、是非共同事業にご参画ください。皆さんと一緒に、シニア世代に生き生きとした、輝かしい未来像を提供出来ればと考えていますのでご一報をお待ちしています。

NPOプラチナ・ギルドの会に三名のアドバイザー招聘の件

現在法人登記を準備中のプラチナ・ギルドの会では今後のNPOの発展のため、財・官・学から社会貢献活動にご理解の深い以下の三名の方にご就任いただくことになりました。

日本政策投資銀行社長の橋本徹様(元富士銀行頭取)はスイスに本部を置くコー・ラウンドテーブルの初代日本代表で企業倫理・CSR分野でご指導頂けると考えています。現在オリックス社外役員の薄井信昭様(元大蔵次官)は(株)日本総合研究所の理事長を務められ、私も個人的に良く存じ上げています。日本NPO学会理事長の山内直人様(大阪大学大学院公共政策研究科教授)は公共政策、NPO分野で幅広いご活躍をされておられます。

「社会で活躍するシニアの顕彰事業」の選考委員ご就任をお願いした際にも感じたことですが、大変お忙しい方々にも拘わらず、即断即決で夫々ご就任をお引き受け頂いています。
サラリーマン生活で現役時代に経験したビジネスの世界では複雑に絡み合う利害関係の中でなかなか事は運びませんが、社会貢献やボランティアの世界は目指す理念や目標が明確であり、「志」を理解いただければ、大変スピーディーに全てが進むことに新鮮な驚きを禁じえません。

さて、今月中には法人登記も終了し、いよいよ特定非営利活動法人プラチナ・ギルドの会の船出です。11月中には予定通り「顕彰プロジェクト」の公募概要を発表いたします。今回はモデル事業の位置づけですので、規模は小さなものですが、来年度は顕彰規模も倍増、そして第二のプロジェクト「スマート・シニア向けオリエンテーション事業」を現在鋭意検討中です。ご期待下さい。