「私たちからの提言(アドボカシー活動)」カテゴリーアーカイブ

高年齢雇用安定促進法について

皆さん、昨年の通常国会において高年齢者安定雇用について法案が改定され、この4月から雇用者(企業)に60歳を超える社員の65歳までの定年延長または再雇用の義務が課せられたのをご存知でしょうか?これは、財政負担を少しでも軽減するために、国民年金の受給年齢が順次65歳に延長されることに伴い、定年後、年金受給までの期間、社員の所得補償を企業に負担させたものです。

勿論、昨今平均寿命が大幅に伸び、少子高齢社会の到来とともに、シニアの労働力を利用し、今後の労働力不足に対処することは、女性労働力や、海外からの有能な人材を活用することと合わせ、日本社会としても重要なことです。また、元気で活動的なシニアにとっても、経験と培ったスキルを活用して60歳を超えて、体力に応じて働き続けることは自己実現の場を確保するために望ましいことです。

しかしながら、個別企業の立場から見れば、雇用制度の改正により経営の自由度を著しく脅かされ、本法案の施行から半年経過した現在、“追い出し部屋”に象徴されるような、社会的なフリクション(葛藤)が生まれつつあるのも事実です。需要の旺盛な市場で活動する企業にとっては、すでに労働力不足に悩まされている事情もあり雇用延長はさほど問題にはなりませんが、そうでない企業にとっては賃金コストの上昇は死活問題です。

従業員の視点からもより自由度のある制度設計が望ましく、各社は人事部を中心にこの問題を真剣に検討し始めています。外部のコンサルタントの支援を得て早期退職制度、転職、起業、U、Iターン等の幅広いオプションを提示する企業も増えてきています。起業により生涯現役として働くことや、ボランティア(社会貢献活動)も含め、より幅の広い人生設計を、これまで貢献してきた自社社員のために各社が積極的に支援することが、今、「企業の社会的責任」として求められているのだと考えます。

国政レベルでは、日本の雇用環境を流動化し、人材の流動化に資する制度設計が最も重要です。企業が不必要な人材を無駄に抱えるほど、労使双方に非生産的で、モラルの低下を招きます。逆に、これまでの経験を生かして、海外や他社で活路を見出し、またこの機会に、これまで温めてきた起業にチャレンジし人生二毛作、三毛作を考えてみるのもよいかもしれません。経済的に余裕のある人はボランティアの道もあるでしょう。都会生活で疲れた方にとっては、二拠点生活を可能にする自治体が推進するクライン・ガルテンも悪くないでしょう。

プラチナ・ギルドの会では、このような日本社会が抱える社会的課題を少しでも緩和し、高年齢者が生き生きと仕事に従事できるよう、また自分自身の人生設計を考えてみる機会の提供ができないか検討しています。各企業が直面する問題だからこそ、企業と共同して問題解決に当たれないか模索しています。企業が抱える貴重な人材の、将来設計のプラニングをお手伝をする「オリエンテーション事業」が出来ないか検討します。

「きっかけ」と「思い」

前回の寄稿で「プラチナ・ギルドの会」の設立経緯やNPO化への準備、顕彰事業の取り組みなどについてお話しました。今回は私がこのような活動を始めた「きっかけ」や「思い」について触れておきたいと考えます。実は私は定年退職するまで全くの会社人間で、地域の関わりや、ボランティア等、全く経験がありませんでした。しかしながら、現役時代、海外勤務経験が長かったことから欧米では、「退職」を心待ちにしていて、退職日には“Happy retirement” のパーティーを開くしきたりがあることを知っていました。

私も退職後にしてみたいことについて現役時代から思いを巡らせ、趣味などは密かに準備を進めておりました。お蔭で退職後にはいろいろな趣味にチャレンジし、活動の場を広げることが出来ました。ところが、地域社会との関わりや社会貢献活動となるとなかなか障壁が高く、具体的にどのように行動すればよいのか悩むことが多かったのが現実です。そのような経験から、ボランティアや社会貢献活動には興味があるが、どうすればよいのか分からない人のために、先ずは勉強の場を作ることを考えてみました。

「プラチナ・ギルドの会」は既に退職している人、今後数年後に退職する人たちが、第二、第三の人生をより豊かにするためのプラットフォームにできればと考えています。退職後の人生を豊かで充実したものにするためには、単に趣味の世界に生きるだけでなく、自分を育ててくれた社会に恩返しし、次代を担う若者を支援することが出来れば、自分自身の自己実現にも通じると考えたのです。一人でも多くの人が賛同し、一緒に行動することによりこれからの日本を明るく、夢のある社会にすることが出来ると信じています。

さて、現在、活躍するシニアを顕彰し広く社会に紹介することは、当会の目的にも合致すると考え、来年三月までにモデル事業として詳細を検討中です。この事業を成功させる鍵は何と言っても選考委員の顔ぶれと実績にあります。そのような観点から、ボランティア、社会福祉等の世界で実績をお持ちのさわやか福祉財団理事長の堀田力さま、アフラックの創業者・最高顧問の大竹美喜さま、経済界からは元日本経済新聞社社長(現日経センター代表理事)杉田亮毅さま、女性起業家としてイムノエイト株式会社社長の谷口郁子さまにお声掛けいたしましたところ、全員から即決即断でお引き受けいただきました。

先ずは、選考委員の皆様から事業の妥当性と社会的意義について深いご理解をいただけたことを心から喜んでいます。また同時に、お忙しい皆様が快くお引き受けいただいたことは、選考委員の皆様が少しでも社会を良くしたいとの思いがあるからだと信じています。現在、公募の方法、資金支援、対外広報などについて細部を詰めており、11月には法人化と同時に公募概要が公表できるものと思っています。

尚、ご意見・ご提案を下記のアドレスにてお待ちしています。
okuyama@e05.itscom.net

プラチナ・ギルドの会のご紹介

任意団体「プラチナ・ギルドの会」発起人・代表の奥山です。当会が昨年6月に正式に産声を上げ丁度一年が立ちました。私はプロボノ活動を仲介する、特定非営利法人サービスグラントの特別顧問としてここ数年、同NPOを後方支援してまいりました。同NPOが順調に活動を広げる一方、今我が国において元気で、活動的なシニア(以下、アクティブシニアと呼ぶ)の社会貢献活動が期待されていることを実感し、シニアによるプロボノ活動の場を研究し具体的に行動することを目標に当会を発足しました。

丁度一年が経過したところで、会員も50名程度までに成長し、事務局体制も整備されてまいりましたので、7月に東京都にNPO申請を提出、本年度中には法人化が実現する見込みです。特定非営利活動法人プラチナ・ギルドの会の目的はシニアが企業やその他の実社会で培った、経験、人脈、スキル等を退職後効率的に活用し、社会に恩返しするための仕組みを作り上げることにあります。

現在の会員構成は約半分が現役サラリーマン、その他半数がすでに退職した年金生活者で、それぞれの得意分野で社会貢献活動を行っています。毎月一度の例会では各種の活動報告がなされ、切磋琢磨していますが、現役世代の会員には退職後の自己実現の場を考える上で参考になっていることでしょう。NPO法人設立後は当会がアクティブ・シニアの社会貢献活動の社会インフラとなるべく、現在活動中の諸団体、その他、政、官、学とも共同しながら、シニアが社会貢献活動に取り組みやすい社会環境の実現に努力いたします。

そのために、先ず最初のNPOの事業として、NPOセクターですでに活躍するシニアの「顕彰プロジェクト」の立ち上げを準備中です。また現在、第二?第三のプロジェクトも中期計画として検討中です。超高齢社会が実現する中、アクティブ・シニアが少しでも社会に恩返しできる環境が整備されることは我が国の急務であると考えています。