父親の反対を押し切って20代、単身アメリカに渡り、カリフォルニアでフィッシュ&チップス店を開いたことに始まり、高い問題意識と事業チャンスを見つけるセンスと行動力、そして素早い事業の見切りなど、帰国後の金地社長のビジネス人生を示唆する行動に、まずは驚きました。
帰国後は、実家の家業(倒産の危機)を5年で立て直し、弟君に事業を譲った後、健康食品販売や接骨院のチェーン展開など、次々に事業を広げられました。
金地社長の、障がい者問題との出会いは、事業規模を拡大した時の障害者雇用ルール、罰則に遭遇した時です。
一方で、農業との出会いは東京港野鳥公園の田んぼ体験とのこと。そこでの親子での稲作体験で農業にハマってしまったとのことです。あそこは野鳥観察をする場所と思ったら、ずいぶん広い田んぼがあって都民の農業体験が盛んに行われているようです。
この障がい者が元気に働ける場所、機会作りと農業をやってみたいという思いが繋がって、今の障がい者による農業という新しい事業が生まれたのです。14年前のことです。
現在の千葉市の農場では障がい者が120名働いているとのことです。
農業は儲からないと世上では言われていますが、ここの事業が成功しているポイントを金地社長は次のように言われていました。企業秘密が多いので表現は少し一般化されています。
・農閑期を作らない農業
ビニールハウスで、水耕栽培、無農薬、年間需要が見込める葉物野菜主体の作物を年中出荷
・固定資産税の安い農地の確保
行政の支援、周辺農家からの信用
・障害者雇用に悩む企業とのギブアンドテイク型連携
・障がい者の研修システム、仲間意識向上による離職の少なさ
・生産物の販路の開拓(規格外野菜も別ルートで販売など)
金地社長は、全国どこでもこういう農業モデルは可能であり、
農業の生産性向上、企業の障害者雇用問題の解決と資金力の活用、障害者福祉の推進、地域経済の活性化と四拍子揃った事業をますます広げていきたいと語っておられました。
当会としては、できるだけ早い時期に千葉の農場見学や障がい者との交流を実現すべくスタディツアーを企画したいと思います。