「ダイバーシティ経営の効果と新時代のアプローチ~Diversity3.0~」

 

講師 株式会社LYL(リール) CEO 小山侑子氏

  

プロフィール:(https://lyl-coaching.com/ より)

 

外資系経営戦略コンサル会社 ローランド・ベルガーへ新卒で入社。5年間、大手企業のVision策定や新規事業、PMIなどに従事。現在は、LYLの代表としてDiversity3.0の実現に向けたクライアントワークを行う他、会計事務所を母体とし、約30事業を展開するSEVENRICH GROUP(LYLの所属グループ)のCHRO・事業開発も担う。

 

 

 

 

以下、当日(7/24)のご講演です。

 

弊社は「ダイバーシティ戦略は個人、組織と経営を繋ぎ、一人ひとりが活躍し、企業の成長につなげる」という考えのもと、「経営に自分軸を」というビジョン掲げ、ダイバーシティを切り口とした組織戦略コンサルティング/プログラムを提供しています。弊社ではダイバーシティは性別×スキル×国籍×価値観×働き方×健康状態などを掛け合わせ、あなたも私もダイバーシティの一人。という定義を謳っておりますが、本日はその中でも、「女性活躍」についてお話ししたいと考えています。

 

まず、以下の3点をお伝えしたいと思います。

 

1つ目は、現在の女性活躍におけるアプローチが古く、アップデートが必要であるということです。

 

2つ目は、ダイバーシティ推進が経済組織や企業にとっても有益であり、ROEEBITマージンの向上、優秀な人材の流出防止、女性の就業率向上によるGDPの増加など、そのメリットがデータで示されているということです。

 

 

3つ目は、女性活躍においては女性だけが頑張るものではなく、男性も含め、協力者としてみんなで取り組むことが重要であり、そのようなアプローチを提唱しているということです。

 

現在令和の時代において、日本の女性のジェンダーギャップ指数は2021年(117位)から2023年(123位)に毎年順位を落としています。
一方で、女性活躍を推進することで、企業のパフォーマンス向上や優秀な人材の流出防止に貢献し、GDPの上昇にも寄与できるというエビデンスも既に存在します。
日本の社会、経済において重要だと認識されながらも、まだまだダイバーシティ推進の実現に向けては課題が山積みなのが現状です。

 

近年、女性が管理職比率の低さにおいてメディアや企業の取り組みでもよく耳にしますが、原因を掘り下げていくと、そもそも女性社員がその企業に少ない。という社員数の問題だけでなく、管理職になりたいと思う人が少ない(母集団形成・意識醸成)ということも、よくある課題の一つです。また、更に根底にある要因として、女性自身が抱えるスキル/経験不足による不安や周囲の理解・支援の不足/偏見・バイアス/過剰な気遣い、管理職のイメージと自身の仕事における目指す姿とのギャップ、漠然とした将来のライフイベントと仕事の両立、健康課題など様々な要素が絡み合って存在します。そして何より、そうした不安や課題は教育や社会的インフラがベースになってしまっているのも事実です。

 

これらの課題を一つ一つ解決していくためにまず組織として意識すべきは、社員一人ひとりがアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み・無意識の偏見)を排除し、個々の能力を見極めることです。当たり前ですが、女性も一人ひとり違った個性を持っています。そのため、女性を一括りにして女性活躍の施策/アプローチを打つ既存のアプローチは古く、アップデートが必要です。また、女性活躍=自分には関係ない。と考えるのではなく、男性も女性も協力者として、ダイバーシティの推進に共に取り組むことが重要です。

育成や採用においても同様に、伝統的な性別や世代、国籍などに対する固定概念を取り払い、多様な視点を織り込みながらアップデートしていくことは急務です。

 

私たちはこうしたクライアント企業のダイバーシティ経営に向けた変革に伴走すべく、戦略づくりから人材育成プログラムを通じて、個人と企業の成長、社会全体の健全な発展に貢献することを目指しています。
ダイバーシティの推進には、性別や世代、仕事・プライベートを超えて多様な協力者の力が必要です。「私この会社でこんなチャレンジをしたい!」「私は仕事とライフを自分らしく両立したい!」こうした思いを多くの人が言語化し、周囲に伝え、仕事とプライベートの両方で応援・共感してくれる協力者を増やしていく。

私たちの取り組みは、家庭との会話やパートナーシップの強化も含まれ、企業や社会全体に広がるエコシステムに繋がると考えています。ダイバーシティの推進においては、みんなで違いを学び合い、協力し合う姿勢が必要です。

 

 

最後に、私たちは引き続きダイバーシティ経営をサポートし、一人ひとりが協力者に支えられながら自分らしく働き、生きる。社名の由来である「Live Your Life」を体現できる人が増え、個人も企業も社会も元気になることに貢献していきます。皆様のご理解とご支援に感謝いたします。本日はありがとうございました。